就職転職を考えている日本人の方数人と話すことがあったので、私の転職歴についてを軽くシェアしておきます。
私は高校・大学・大学院が英語圏で、大学卒業後からイギリスの大学院に進学するまでの間は日本で外資系企業で勤めていました。
イギリスの大学院(MBA)修了後なかなか就職が決まらず、オンラインで100社以上はアプライしたと思います。マーケティングからITやプロマネまで、少しでも自分の職歴にかする部分があれば何でも応募しましたが箸にも棒にもかからず、気持ちを切り替えてゼロからスタートだ!とエントリーレベルの職種に応募もしました。その場合、もちろんCVは少し控えめにアレンジします。応募職種によってCVの内容はもちろん変更しました。
それでも一向に面接に呼ばれることはなく、ある時夫の家族の勤め先(従業員5万人規模の企業)のHRダイレクターに就職相談に乗ってもらいました。「この道30年以上のプロとして言うけど、イギリスの就職は8割がコネだから外国人のあなたの就職は難しいかもしれない」「自分のUSP(Unique Selling Point)をしっかり見極めて、それをCVに反映させるべし」などアドバイスをもらいました。実際そのコネで、その企業のISO関連業務で契約社員のオファーをもらいましたが(笑)、当時NIナンバー(National Insurance Number/国民保険番号)を持っておらず、NIを持たない人を雇うのは社内規程に反するということで取り下げられ、とても悔しい思いをしました。国の法律的にはNIが無くても就労可能ですが、会社のルールによってはNIが必要とされるので、就職を考えたらまずNIナンバーの取得を強くお勧めします。(NIナンバー取得についてはこちら)
その後も就職活動を続け、とりあえず最初に採用オファーをくれた会社でコールセンタースタッフとして働くことにしました。しかしながらどうしても自分には合わず、3ヶ月で辞めました。
ちょうど辞めるタイミングで運よく次の仕事(マーケティング翻訳)が見つかりました。とてもラッキーだったと思います。
それを足掛かりに何度か転職し、現在はマーケティングの仕事に就いていますが、一度イギリスの会社で働いた経験が付くと次からもイギリスの会社に転職しやすいような気がします。また「イギリスの就職は8割がコネ」と言われたとおり、元同僚や元上司から求人情報をもらったり、それで実際に転職したりもありました。
もし外国人従業員の多い企業内で外国語話者のポジションに応募するなら、社内の日本人数が少ない方が個人的には良いように思います。日本人が多いとその中の1人にしかなりませんが、唯一の(もしくは数少ない)日本人となるとそのexpatiseが必要となった時には重宝され、裁量範囲がグンと増えます。どんな職業であれ、自分で決められることが多い方が仕事は楽しいですよね。
こちらで就職したものの行き詰まりを感じ、キャリアアップ・収入アップしたいと考えるようになったなら転職です。
周囲のイギリス人達を見ているとだいたい3~5年以内に転職をしているようで、そのたびにキャリアアップもしくは収入アップをしているようです。
私自身はマンチェスターで4回転職し、その度に昇給しており、マンチェスターでゼロからキャリアをスタートさせた時から約3倍の収入になりました。給料をジャンプアップさせるには、まず転職だと実感しています。
イギリスで就いた最初の仕事が希望の職種でなかったとしても、私のように転職で軌道修正もできます。面接で現職と違い過ぎると指摘されても、その前の日本での職歴に即していれば「イギリスでなかなか仕事が見つからずとにかくご縁のある会社に就職したが、そろそろ元のキャリアパスに戻りたい」と言い訳できます。(日本での職歴がある場合ですが。)
転職サイトやLinkedinに登録して、採用者達に向けてCVをオープンしておくのも一つの方法です。これは、転職の意志がなくてもしておくといいでしょう。何かのタイミングで今より好条件の仕事が舞い込んでくるかもしれません。それから、私は1~2週間に1度はアプリで求人情報を眺めています。そうしていると、「この会社はしょっちゅう求人を出している(=離職率が高いか企業が急成長している)」「最近この業界の求人が多い(業界的に景気が良い?)」等々、いろいろと気付くことが出てきます。レーダーを張っておくことは重要です。
CVはできるだけ具体的に、「売上何%アップに貢献」「年間コスト£xxx削減に貢献」「こういった新規アイディア導入」など数値的・具体的に記述できるところはそのようにして、採用側に自分の貢献度を想像しやすいようにします。「自分のUSP(Unique Selling Point)をしっかり見極めて、それをCVに反映させるべし」とのアドバイスをできるだけ忠実に実践です。
果たして面接に呼ばれたら、萎縮せずに「自分もこの会社を面接しているのだ」という気持ちで臨みます。私自身、そう言い聞かせて面接に臨むのですが、緊張するとなかなか出来ませんよね。大きく深呼吸して「Nothing to lose」と頭の中で繰り返し半ばやけっぱちに開き直ったら、オフィスやそこに働く人々の雰囲気を客観的に観察して、自分が働きたい環境かどうか感じてみるのも良いかもしれません。多少仕事がつまらなくても、環境が合えば楽しく続けられるということもままあります。
そうしてリクルーターなり企業なりからオファーがあった時、大事なのは欲しいお給料をきちんと告げることです。高く年収を言うと採用されないかもしれないと心配になるかもしれませんが、よほど就きたい職種でなければ私は自分を安売りすることは避けてきました。現在の仕事にそこそこ満足しているなら、ここからどれくらい条件が好転すれば転職してもいいだろうかと、冷静にプロコンを書き出して考えます。次に転職するなら年収いくら欲しいか、普段からなんとなく掴んでおいた方がいいかもしれません。
もし不採用だった場合、気になるならフィードバックを依頼してもよいと思います。何が足りなかったかを聞いておくと、次回以降の参考になります。勝手なもので、たいして乗り気でなかった面接すら不採用だと自分が全否定されたようなショックを味わいますが、フェアなフィードバックで自分の特徴を改めて教わることもあり、今後の転職活動の参考になります。
以上、特に目新しいことはありませんが、私自身の体験と周囲の友人・同僚の体験談です。
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